好みのお酒を選ぶために知りたい!ラベルの読み方

ひとくちに日本酒といっても種類は様々です。そんな多種多様な日本酒の中から「自分の口に合う銘柄」を探したいと思いませんか?そんな時に注目するのが日本酒のラベルです。実はここに重要な情報が記されていますので、理解すると自分好みのお酒を探しやすくなります。日本酒選びのコツとしてぜひ今回の記事をご参考ください。

日本酒の製造工程の基礎知識

ラベルの内容を理解するためには日本酒の製造工程を知ることが重要なので、まずはこちらを説明します。

日本酒の基本原料は蒸したお米と米麹、それと水です。これらの材料を使ってアルコール発酵したものが日本酒となります。

日本酒づくりは、玄米を精米することから始まります。玄米の外部が雑味の原因になってしまうことが精米を行う理由です。精米後は、お米を洗い水に浸してからそのお米を蒸します。

最も重要なのが次の麹を造る工程です。まず蒸したお米にカビ菌を繁殖させることで麹を作ります。さらに麹を別の蒸したお米と合わせて酵母をつくります。この酵母に水を入れて発酵させ、日本酒のもととなるもろみを作ります。

もろみが発酵したら、濾過などを経て最終的に日本酒が完成します。多くの場合、腐敗等を防ぐために「火入れ」という加熱作業をします。火入れをした後調合等を行い、もう一度火入れし瓶詰したら製品の完成です。

日本酒のラベルからわかること

日本酒のラベルには様々な情報が記載されています。材料名やアルコール度数、酒蔵や製造時期はもちろんのこと、味の違いや製造方法などもラベルから読み取ることができます。

例えば材料名は、左から使用量が多い順に書かれています。ここにお米の品種が記載されている場合は、その使用割合が50%以上であることを意味します。また日本酒のアルコール度数は15~16度程度が多いですが、水割りをしていない原酒は20度くらいになるものもあります。

製造方法に関しては、用語の意味を覚えておくと便利です。例えば、目の粗い布で濾して白濁させている「にごり酒」、火入れせずに菌が生きている「生酒」などです。

勘違いしやすいのが製造年月日です。記載されている日付は、実は瓶詰めした日となります。よって酒蔵で長期間熟成されたお酒でも瓶詰した日は新しいということがあるので、熟成度合いはここで判断できません。

ラベルの注目したいポイント

好みの味を探すうえでの注目ポイントが材料です。ここは大きく分けてお米や麹などだけでできているものと、醸造アルコールが使われているものがあります。醸造アルコールを使うと、飲みやすくなるなどメリットもあるのですが、悪酔いしてしまう人もいます。日本酒で悪酔いした経験がある人は、醸造アルコールが入っていないものを試してみるとよいでしょう。

味の違いに影響する「酸度」や「アミノ酸度」もチェックしたい項目です。酸度は低ければ甘口、高くなると辛口になります。この数値は味の余韻も表しており、低いほど余韻が長く楽しめる傾向があります。アミノ酸度はコクや淡麗さなどを表し、数値が小さいほど淡麗な味になります。

まとめ

日本酒の知識を深めたい際はラベルについて調べることをお薦めしますが、とにかく自分好みの日本酒を知りたい場合は、まずは醸造アルコールの有無や酸度やアミノ酸度などをチェックしましょう。酸度やアミノ酸度に関しては自分の好みのお酒の数値を確認し、別の銘柄を探すときにはそれに近いものを選ぶとよいでしょう。

もちろん、シンプルににラベルのデザインや好きな場所で作られたお酒を買うのも全く問題ありません。お酒の楽しみ方は千差万別、あまり難しく考えずに楽しみながらお酒選びをしましょう。

参考WebサイトのタイトルとURL
オエノングループ ~ 日本酒ができるまで~「日本酒の製造工程」
酒みづき ~ 日本酒はどうやってできるの?お酒造りのながれ(製造工程)とは
Sake sennin ~ 日本酒の造り方
たのしいお酒.jp ~ 「酒母(しゅぼ)」とは? 日本酒造りで重要な酒母について解説【日本酒用語集】
“Kampai” at Kyushu ~ 日本酒の種類・ラベルの読み方
日本酒のラベルの用語事典 ~ 日本酒のラベルの用語事典
haccola.jp ~ 日本酒のラベルってどう読めばいいの?上手な見方は? │マダム下宮のやさしい日本酒講座 vol.5
だって富士人だもの ~ 醸造アルコールは正義か悪か!?もし日本酒が純米酒だけになったなら醸造アルコールは正義か悪か!?もし日本酒が純米酒だけになったなら