日本においてカレーは老若男女を問わず、誰からも愛される人気料理です。
では日本にはどのように伝わったのでしょうか。そして、現在のカレーライスの形になったのでしょうか。こちらでは、日本のカレー誕生秘話についてご紹介いたします。
カレーの伝来
1863年(文久3年)、日本人が初めてカレーに出会ったといわれています。それは、日本がまだ尊皇攘夷の熱に沸いていたころ、幕府が派遣した欧州への使節がフランスの郵船に乗りました。ちょうどそこに乗り合わせていたインド人が食べていたもの、それこそがカレーライスだったのです。
当時、随行した三宅秀清の日誌に、「飯の上ヘ唐辛子細味に致し、芋のドロドロのような物をかけ、これを手にて掻きまわして手づかみで食す。至って汚なき人物の物なり」という記述がありました。どうやら、この時、カレーライスはそれほど美味しそうな食べ物には見えなかったようです。
日本にカレーが伝わったのは明治初期の頃、イギリスから伝わったといわれています。その時伝わったカレーは、イギリスで既に発明されていたカレー粉を使い、小麦粉でとろみをつけたイギリス風のカレーでした。
当時、カレーは高級な西洋食として扱われていました。しかし、1860年にカレーの作り方を記した敬学堂主の「西洋料理指南」が刊行されたことから、多くの料理人がその調理方法を知るようになり、また日本人に馴染みの深い丼物を連想させる「米に汁をかけた料理」という点から多くの日本人に食べられるようになりました。カレーの誕生は日本の食文化に大きな影響を与えました。カレーが伝わることで、豚肉やじゃがいも、にんじんといった今まで日本人がほとんど口にしなかった食材が使われるようになったのです。
それから数年経ち、明治も終わりになりかけたころ、大阪初の西洋料理店として自由軒が創業しました。当時はハイカラといわれていたビフテキなどを浪速っ子に紹介しました。もちろん、カレーも出すことになります。そして、名物カレーが生まれたのです。
日本カレーとインドカレーの違い
日本カレーの特徴
日本カレーの特徴といえば、ルーの味付けとカレーの中に入れられる具の数でしょう。
日本カレーはインドカレーには使われていないルーをメインの味として日本人向けにできています。そのためインドのカレーに比べ、ルーにとろみと甘みが生まれます。後、日本カレーにはジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、牛肉などインドカレーには使われていない様々な具が使われています。
インドカレーの特徴
インドカレーの特徴といえば、スパイスの種類とその数でしょう。日本のカレーにもスパイスは使われていますが、粉末にして固形化されているので、味や香りが損なわれていると言われています。
インドカレーに使われるスパイスは、粉末にしていないホールスパイスがメイン。トウガラシ、ターメリック、クミンシード、シナモン、ココナッツなど、数種類のスパイスを合わせて作っているので、日本のカレーのような隠し味やひと晩寝かせるといった手間をかけずに、おいしく食べることができます。
また、ルーを作る上で小麦粉を使わないのもインドカレーの特徴です。とろりとしたルーを使う北インドカレーでも小麦粉は使用せずに、スパイスと野菜のみでとろみをつけています。
日本のカレーを食べたくなったら、ぜひ毘沙門レストラングループの新しいカレー店味道、ToGoカレーエクスプレスに行って見てください。